国際免許の有効期限は1年しかありませんので、渡米して生活が落ち着いたら早めに現地で免許を取得します。
「自分は運転しないから関係ない」と思った方も、以下の理由から一度検討してみるとよいと思います。
- 国内便の飛行機に乗るときや、ホテルのチェックイン、セキュリティの厳重な施設に入るときなど、アメリカで生活をしていると様々な場面で身分証が求められる
- アメリカで身分証とはPhoto ID(顔写真+英語表記)のことで、日本人だとパスポートや国際免許が該当します。ただし、パスポートや国際免許を常に携帯するのは非現実的
運転免許証を持っていれば日本で生活していた時のように身分証として効力を発揮しますのでお金と時間に余裕があれば取得するのがベターです。
取得までの流れと費用
大まかな流れとしては、
①Webで申し込み → ②RMVへ訪問 → ②筆記試験 → ③路上試験 → ④免許受け取り です。
このプロセスには最短でも2ヶ月ほど掛かります。
総費用はざっと見積もって120~300ドルです。
(金額に幅を持たせたのは、教習所で事前講習を受けたときや試験に落ちたときなどに追加費用がかかるためです)
Webで申し込み
RMVのウェブサイトでClass DのLearner’s permitを申請する手続きを行います。
※リンク先のページには、試験費用や申請方法の解説が載っていますが、ざっと読むだけでよいです。
あとは、以下の手順にそって手続きを進めていきましょう。
Class DのLearner’s permit申請
<用語の解説>
RMV = Registry of Motor Vehicle = マサチューセッツ州運輸局
Class D = 自動車のカテゴリ
Learner’s permit = 仮免許
以下の手順で進めていきます。
アメリカで初めて免許を取る方は以下にチェックします。
次は特に理由がなければREAL IDを選択します。
その後は、要求される情報を入力してどんどん進めます。途中でSSNやパスポートの情報を入力するところがありますので、用意しておきましょう。
また、居住を証明する書類を2つ選択する項目がありますので、RMV訪問までに用意できるものを選択しましょう。私は、「Bank Statement(ウェブでダウンロードできる取引記録)」、「Utility Bill(電気料金などの伝票)」にしましたが、賃貸契約書を入れるか迷いました。後から聞いた話では、賃貸契約書の場合は各ページに署名が必要とのことでしたので結果的に選ばなくてよかったです。
RMVを予約
以下のサイトからRMVの訪問を予約します。
無事に予約が取れたらメールが届きます。
人気のWaterTownはすぐに一杯になってしまうか取れてもかなり先になるようです。
RMVへ訪問
施設にもよると思いますが、私が行ったWaterTownのRMVではきっちりと予約時間を管理していました。
早すぎると待たされますし、遅いと中に入れてくれない可能性もありますので、時間通りに行くのが良いです。
入場したら、
書類の提出、目の検査、写真撮影を行い、筆記試験の費用30ドルを支払います。
提出する書類は以下です。
SSNカードとパスポートは必ず原本を持っていきましょう。
- I-94
- パスポート&ビザ含む
- SSNカード
- Web申し込み時に選択した居住所証明する書類2種類
書類に不備がなければ、筆記試験用のログインIDとURLが書いた紙がもらえます。
※ログインIDとは「Customer ID」と書いてあるアルファベットと数字を組み合わせた番号のことです。
筆記試験を受ける
以前は指定された会場で試験を受けていましたが、コロナ禍ではオンラインのみとなっており、自宅で好きなタイミングで受けられます。
RMVウェブサイトのMy Profileにアクセスし、4つの項目を入力したらログインできます。その中で試験を受けましょう。
詳しい手順はRMVウェブサイトで確認してください。
※カメラをonにするなどは要求されませんのでリラックスして挑みましょう。
出題範囲は?問題は難しい?簡単?
試験はMassachusetts Driver’s Manualの範囲から25問が出題され、18問正解できれば合格です。
また、日本語で受験することもできます。
私の印象では、筆記試験はかなり難しかったです。
理由は以下の通りです。
- 無料のオンライン模試と同じ問題が少なかった(有料だと試験に近い内容が出るようです)
- 似たような問題が繰り返し出題され出題範囲が偏っていた
私は結果として何とか一発で合格できましたが、正直ぎりぎりだったと思います。
ご参考に、どんな問題が出題されるか大まかな範囲を記載しておきます。知り合いに聞いてみたところ、JOLや罰則の問題は必ず複数問出題されているようです。私はJOLの問題が異常に多かった(5問くらい)のを覚えています。この辺りを重点的に対策すれば得点アップにつながるかもしれません。
- 標識問題
- 車線問題
- ハイビーム・ロービーム問題
- スクールバス問題
- JOL(未成年用ライセンス)問題
- 罰則の問題
罰則の問題は「栓の空いたアルコールが車内にあった際の罰金はいくら?」などと具体的に出ます。
合格したら
My PageからLearner’s permit(仮免許)が確認できるようになります。これは路上試験でも使いますので印刷しておきましょう。
また、後日郵送でも Learner’s permit が届きますので、どちらかを車のダッシュボードなどに保管しておくと安心です。
仮に不合格になったら、60日以内であれば30ドルを追加で支払って再受験できます。
路上試験を申し込む
次に、路上試験を申し込みます。
RMVで申し込むこともできますが、予約が取りづらかったり落ちやすいという話を聞いたので、私は巷で「世界一簡単」と言われていたBrookline Driving Schoolで申し込むことにしました。
申し込み方法は、ウェブサイトの右側の連絡先に電話かメールをして路上試験を受けたい旨を伝えます。
その際、Student Potal上に自分のアカウントを作ってくれますので、そこで費用を支払います。また、試験日程を決めるために、電話で何度かやり取りします。(ウェブ上では完結しません)
Brookline Driving Schoolは試験費用は130ドルです。これは正式な試験費用ではなく、RMVに代わって試験を行う代行料のようなものです。
RMVにも試験費用を支払う必要があります。My Profileから試験費用55ドルを支払います。これは、路上試験を受ける前でも後でも構いません。
また、事前に運転の練習をしたい場合はDriving Schoolで同時に申し込めます。私の時は2時間の事前講習で55ドルでした。
路上試験を受けられる他の教習所
Anderson’s Driving Schoolでも申し込むことができます。
Framinghamにありますので、郊外にお住まいの方はこちらの方がアクセスが良いかもしれません。
路上試験を受ける
事前に準備するもの
路上試験のApplication Formを記入して持っていきます。また、Learner’s Permit(RMV my profileから確認できます)を印刷したものと眼鏡などを忘れずに持っていきましょう。
試験会場
Brookline Driving Schoolで申し込んだ人はBrookline High School付近で路上試験を受けます。閑静な住宅街で交通量は殆どありません。
尚、予約時間はそれほど厳密ではないので(到着順に試験を受ける形)、多少遅れても問題ありません。
試験は2台同時並行で行われ、車が準備できたら案内人が指示を出してくれます。待っている間にも、その案内人が試験のコツを教えてくれ、ポイントを復習することができます。
試験の内容は?
順番は前後するものもありますが、大まかには以下のような流れです。
① 手信号
② 縦列駐車
③ 3点ターン
④ バック
これを行う中で、一時停止やブラインドスポットの確認、歩行者確認などをきちんと基本的な動作ができているか確認されます。「自然であるか」という点も確認されますので、無理にゆっくり走る必要はありません。
私の場合は、走り始めてから5分くらいで終わりました。
また、縦列駐車は前に車が一台だけ止まっているところで行いますので、かなり余裕をもって挑めます。むしろ、あまりギリギリを攻めずに車幅を開けすぎるくらいの感覚でもよいと思います。
尚、坂道パーキングについてはこのエリアにはそのような場所はないので実施しません。口頭で聞かれることもなかったです。ただ、万が一聞かれた場合に備えて復習しておきましょう。
免許証受け取り
合格後、RMVのMy Pageから残りの費用であるライセンス費用35ドルを支払うと、約2週間後に自宅に免許証が届きます。
運転免許の更新
運転免許の更新日は最大で取得から5度目の誕生日まで有効ですが、就労ビザやI-94などの有効期限の方が短ければそちらが優先されます。
例えば、2022年1月1日に運転免許を取得した場合、最大で2026年の誕生日まで有効になりますが、ビザの期限が2023年8月1日の場合、その日が期限となります。
更新手続きは有効期限の1年前からできますが、ビザ等のステータスが変わっていないと延長されないため、更新のタイミングには注意が必要です。
更新料は有効期限によりますが、最大で50ドルです。
手続きは以下のDMVのサイト”Renew your driver’s license”からできます。
https://www.mass.gov/how-to/renew-your-drivers-license
最後に
アメリカMA州の運転免許取得プロセスについて紹介させていただきました。これから免許を取得される方の参考になれば幸いです。