ダンキン(Dunkin’)
ドーナツでお馴染みのダンキン(Dunkin’)。以前はダンキンドーナツ(Dunkin’ Donuts)という名称でしたが、現在はドーナツ以外のラインナップも充実し「ダンキン」に名称を改めています。
ダンキンの起源は1965年。工場労働者のためにトラックでサンドイッチなどの移動販売をしていた東欧系ユダヤ人ウイリアム・ローゼンバーグが創立しました。
彼はサンドイッチの販売中に以外にもドーナツとコーヒーの売り上げが大きいことに気づき、1948年にマサチューセッツ州クインシーでドーナツ専門店を開業したことが起源になります。
現在の店舗数は全米で9,370店舗(2021年10月時点)。 ドーナツ店としては圧倒的なシェアを占めます。以下の図からわかるように、マサチューセッツ州とお隣のニューヨーク州(あとフロリダ)に密集しています。データによると、この二つの州だけで全米の1/4を占める割合なんだとか。確かにボストンで生活をしていると日本のコンビニ並みによく見かけます。
ダンキンとミスタードーナツとの関係
そんなダンキンですが、実は日本のミスタードーナツと深いつながりがあるというのをご存知でしょうか?
ダンキンの創業者ウイリアム・ローゼンバーグとミスタードーナツの創業者ハリー・ウィノカーは親戚の関係にあり、もともとは両社の前身となるドーナツ店を一緒に運営していたのです。1956年に経営方針の違いからハリー・ウィノカーは独立し、ボストンでミスタードーナツを創業しました。
ですので、ダンキンとミスタードーナツは兄弟のようなものなのです。
現在は日本で圧倒的なシェアを占めるミスタードーナツですが、ダンキンも過去に日本参入を試みたことがあり、しのぎを削っていました。
ダンキンドーナツ:1970年に初の海外店舗として東京・銀座にオープン
ミスタードーナツ:その翌年の1971年に大阪府の箕面市に1号店がオープン
結果はミスタードーナツの勝利。進出当時としては珍しかった24時間営業をしたことで話題となりました。ダンキンドーナツはミスタードーナツに市場を奪われたため1998年に撤退。子会社として吸収した吉野家に店舗ごと押し付けることになったそうです。そのミスタードーナツは店舗を拡大し、現在は約1,000店舗(2021年10月)になっています。
一方で、アメリカでは逆の事象が起こりました。ダンキンドーナツがシェアを占め、ミスタードーナツは1999年にダンキンドーナツを運営するアメリカの食品メーカーに買収され、ほぼ全ての店舗がダンキンドーナツへ吸収合併されてしまいました。
最後に
ダンキンとミスタードーナツのルーツが同じというのは正直驚きでした。
そんな両社がアメリカと日本それぞれで「一強」を誇るのは、お互いに顧客満足度を重視してきたからなんでしょうね。
ちなみに日本人の私としては、ミスドの「コーヒーお替り制度」は大好きなサービスの一つです。
ボストンではそこら中にあるダンキンですが、また違った目線で楽しむことができそうです。