Veteran’s Dayとは?
Veteran’s Day(ベテランズ・デー:退役軍人の日)は、すべての退役軍人を称え、その功績に感謝する連邦政府の祝日です。
毎年「11月11日」で固定されており、年によって変わることはありません。
この祝日は、国のために命を落とした人々の英雄的行為を振り返る日として始まり、当初は休戦記念日と呼ばれていました。しかし、1954年に、すべての戦争に参加した退役軍人を考慮し、「退役軍人の日」と改められました。
「ベテラン」というと、日本では「熟練者」の意味になりますが、アメリカでは「退役軍人」を指します。もともとベテランという言葉の語源はラテン語にあり「old = 古い」という意味であるため、日本での使われ方は間違っている訳ではないのですが、アメリカでは全く違った意味になりますので注意が必要です。
Veteran’s Dayに学校や会社は休みになる?
退役軍人の日を祝日とするかどうかは、企業や学校の判断によります。
多くの企業は、退役軍人の日か10月のコロンブス・デーのどちらかを休みにし、両方を休みにすることはありません。
また、多くの学校は退役軍人の日に休みになりますが、休みにするかどうかは一律に決められるわけではありません。
そもそもVeteran(退役軍人)って何?
日本ではあまりなじみがありませんが、「退役軍人」とは、陸軍、海軍、空軍、海兵隊、沿岸警備隊のいずれかに一度でも従事した人を指します。
アメリカには「退役軍人省」(Department of Veterans Affairs、略称: VA)」という行政機関があり、国防総省に次いで連邦政府で2番目の規模があります。退役軍人省には1,000億ドル近くの予算が与えられ、退役軍人専用の病院や診療所を保有しています。
また、退役軍人は障害補償、年金、教育、住宅ローン、職業リハビリテーション、遺族給付、医療給付、博物館などの入場優遇などが受けられるなど、手厚い福利厚生があることも特徴です。
しかし、このような手厚い待遇が受けられるのには理由があります。
退役軍人は4つのカテゴリに分けられ、その一つに「障害により退役した軍人(disabled veteran)」があります。
以下の数字で示すように、2022年時点でアメリカに2,000万人近くの退役軍人がいますが、その約4分の1がPDSD(心的外傷後ストレス障害)などを抱えています。また、ホームレスを経験した割合が11%と、退役後の生活にも大きな影響を与えていることを物語っています。
【退役軍人の数】
1950万人 – アメリカにいる退役軍人の概数
900万人 – 65歳以上の退役軍人の数
506万人 – 障害補償を受けている退役軍人の数
200万人 – 障害補償を受けている人のうち、女性の退役軍人の数
11%-ホームレスを経験した退役軍人の割合
50%-ホームレスを経験した退役軍人のうち、PTSDなどの精神疾患を併せ持つ人の割合
Veteran’s Dayは何をする?
退役軍人が経営するお店で買い物や食事をしたり、退役軍人病院を訪問して一日ボランティアをする人もいれば、亡くなった退役軍人の墓を花や旗で飾る人もいます。
また、退役軍人協会や退役軍人とその家族を支援する非営利団体に寄付をするなど、慈善活動を行う人もいます。
このように、「退役軍人を称え、その功績に感謝する」という行動が個人やコミュニティごとに行われ、それぞれで国を守ってくれる(た)軍人に謝意を表すのがVeteran’s Dayです。
Veteran’s Dayの前日や当日は、テレビやラジオでも軍人に関するトピックが目白押しで、街中でも「Happy Veteran’s Day」という言葉も飛び交い、アメリカ人にとって特別な一日であることが良く分かります。
また、サンクスギビングを起点とするホリデーシーズンの到来を告げる祝日であるともいえます。